ブルックナー/メモランダム⑨ー若杉弘

 昔の方が贅沢だったことがあります。クラシック音楽を聴きはじめた中学生の頃、NHKシンフォニーホールといった番組があり、これは入場無料の公開録画でした。場所はまだNHKが内幸町にあり、小振りながら音響効果が良いと言われたNHKホールがここにありました。往復葉書で申し込み、当たればNHK交響楽団の演奏が聴けるのみならず、指揮台のまわりに配置された花まで希望者はお土産で持って帰れます。しかも、一流の演奏家が登壇しました。イーゴリ・マルケビッチなどの著名演奏家の時もありましたし、当時は新進気鋭の岩城宏之や若杉弘は本当に何度も聴くことができました。
 
 若杉弘さんはスマートで実に格好が良かったです。確かブラームスの交響曲だったと思いますが、演奏中、譜面台に指揮棒が当たり炸裂し四散しましたが、若杉さんは全く意に介さず激しい振幅運動を続けられました。私は比較的前列に座っていたので、その光景がよく見え感激を倍加させました。1935年生まれの若杉さんは当時30歳代前半です。力一杯タクトを振っていました。
 
 1994年10月29日東京芸術劇場で都響との共演でブルックナーの8番を聴きました。この時は知人のY君の特別のはからいでゲネプロにも同席することができました。貴重な経験でしたが、練習時にはあまり細かな指示は出されずにほぼ通しで流していたように記憶しています。本番も良い演奏でした。ブルックナーは得意の演目だと思います。2番、7番、9番などもCDで出ています。朝比奈隆氏についで若杉弘さんは日本人のなかで世界に通用するブルックナー指揮者の最右翼だと思います。
 
<コンサート記録>
1994年10月29日:東京都交響楽団:東京芸術劇場
◆ブルックナー/交響曲第8番
 
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