ブルックナー/メモランダムⅧ⑤ 交響曲第4番

ブルックナー:交響曲第4番
  1. Bewegt, nicht zu schnell
  2. Andante, quasi allegretto
  3. Scherzo. Bewegt – Trio. Nicht zu schnell. Keinesfalls schleppend – Scherzo
  4. Finale. Bewegt, doch nicht zu schnell 

  クラウス・テンシュテットは東独の指揮者(1926年メルセベルク生まれ)だったので、早くから頭角はあらわしつつも冷戦下「西側」へのデビューが遅れました。しかし、豊穣なボリューム感をもった音楽性には独自の良さがあります。ブルックナーは得意の演目です。

  当初は、フルトヴェングラー、クレンペラーに続く古式ゆかしい指揮者と思っていましたが、聴き込むうちになんとも素晴らしい音づくりは彼独自のものと感じるようになりました。音の流れ方が自然で、解釈に押しつけがましさや「けれんみ」が全くありません。その一方で時に、柔らかく、なんとも豊かな音の奔流が聴衆を大きく包み込みます。そのカタルシスには形容しがたい魅力があります。ブルックナーの4番は、こうしたサウンドイメージにぴったりですし、ベルリンフィルとの相性も良いと思います。数多の名演のある4番ですが、小生は最も好きな演奏の一つです。

 参考までに、同じテンシュテット/ベルリン・フィルのテープ録音について過去に書いた拙文を再掲します。4番もその演奏スタイルは全く変わりません。

  いまは全くご無沙汰ながら、かってはNHKのFMで海外の音楽祭のエアー・チェックを楽しみにしていた。その最後が1981ー84年頃で九州へ転勤し、当時は東京に比べてライブでのコンサートが聴きにくくなったため、FMに一時回帰していたと思う。いまはライブにも全く出かけないし、FMも聴かない。もっぱらCDか過去に収録したテープをまわしている。
  さて、過去カセットにとったテンシュテット/ベルリン・フィルのブルックナーの8番を聴いている(1981年11月21日ベルリンでのライブ)。遅い遅い演奏で、特に第3楽章のアダージョ後半の第2主題を奏するヴァイオリンの引っぱり方などは限界に挑んでいるかのような緩慢さである。しかし、そこに籠められるのはとても深い豊かな響きである。フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、そしてチェリビダッケなどにも共通するが、遅いテンポの持続は、その少しの変化でも微妙な表情づけを可能とする。第4楽章も同様。速くなく(nicht schnell)どころではなく第3楽章の長い延長線が続く。フィナーレもコラール風の句の前後で若干、テンポが上がるが最後までほぼ巡航速度は維持される。フルトヴェングラーのようなアゴーギグにともなうクレッシェンドやディミニュエンドの多用はなく、使われる場合はかなり抑制的に(しかし、それゆえ効果的に)発動される。聴き終わってー深い感動。テンシュテットはやはり凄い。

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