ブルックナー/メモランダムⅧ⑧ 交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番
  1. Allegro moderato
  2. Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam
  3. Scherzo. Sehr schnell
  4. Finale. Bewegt, doch nicht zu schnell 

  ヴァント/ベルリン・フィルの99年11月、定期演奏会場のフィルハーモニーで収録されたライヴ盤。ヴァントは、1938年ケルン近くのデトモルト州立歌劇場で、その後ケルン歌劇場を足場に一歩一歩実力を蓄え、ケルンを本拠地に1946年同市の音楽総監督に就任。手兵のケルン放送交響楽団とはブルックナー交響曲全集を録音しています。

  ヴァントの特色は、細部まで練りに練った演奏で、自由な音楽の飛翔とは無縁な、理詰めな解釈と一部も隙のないような凝縮感にあると思います。それでいて重苦しさがないのは、時に軽妙なテンポでいなすコントロールゆえでしょうか。ブルックナーを聞きこんだリスナーにこそ高く評価される練達の演奏です。

  また、テキストを徹底的に研究し忠実な演奏を目指すことや4楽章間の最適な力配分を常に意識した演奏スタイルといった点ではヨッフムに似ています。その一方で、テンポ・コントロールは常に安定しつつも決して過度に遅くならず、むしろ時に軽快なさばきを見せる(それゆえ、全体に「重すぎる」感じを与えない)技巧ではシューリヒトと共通するところもあります。さらに、音の凝縮感をだすためにおそらくは相当な練習で音を練りあげる名トレーナーとしての顔ではベームと二重写しとも言えます。しかし、そうした印象を持ちながら聴いたとしても、全体の構成力からはやはりヴァントはヴァントであり、右顧左眄しない解釈にこそ独自性があるのでしょう。晩年のベルリン・フィルとのライブの本盤は、それに加えて第一楽章のフィナーレなど、その響きに神々しさえ看取します。

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