ブルックナー/メモランダムⅩ⑦ー<古い書架から1>諸井誠

『これがクラシックだ 音楽入門決定版』 (新書) 出版社: 音楽之友社 (1977/01)
 
 ブルックナーについては、第4章ロマン派Ⅱで取り上げられている。交響曲第4番をベートーヴェンの第6番「田園」と比較して渾名としては「森林」でよいのではないか、と言っている。
 
 <生涯>についての記述では、「ブルックナーの卑下した、古風な態度と生き方の底流には農民、石切場、教員など、地味な家系へのコンプレックスがある」(p.152)とし、<作風>に関しては、「ブルックナーの交響曲には、超人的な、大自然の法則のような圧倒的な構成力がある。思いがけないぶっきら棒な楽節の切り方。そして突然の再開。最弱音から最強音への落差の大きな移行。時の刻みのような基本的リズムの連打的持続。複雑で意外性の多い独特な変調。パターンの執拗な反復。巨大構造を統一する単純素朴な論理。生涯繰り返された完成後の計画変更と加筆。弟子、指揮者など、周囲の人々の意見や助言への、お人好し丸出しの傾斜。自作、他作からの数多の引用。なりふりかまわぬワーグナーへの傾斜・・・。ロマン派とはいえ、感情の細かいひだとか繊細な心の動きとかの表現とは無関係な作曲家だったのである」(p.153)とされる。
 
 その他、<未完成異聞>では交響曲第9番について、<ワーグナー交響曲>では第3番について、<ブルックナーの奇癖>では数字への強迫観念について面白おかしく語られる。全般に辛口のブルックナー人物論である。
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