ブルックナー//メモランダムⅠ ⑤ー6 最近のお気に入り 交響曲第4番

 ワルターのブルックナー交響曲第4番。コロンビア交響楽団を振った1960年2月13,15,17日スタジオ録音盤ではなく、遡ること20年前のNBC交響楽団との1940年2月10日のライヴ録音である。これがなんとも面白い。録音はレコードの復刻であろうか、雑音、ヒスが多く「凄まじく悪い」が、この演奏の迫力はそれを凌駕して貴重な4番の記録となっている。

 
 比較的ヒスが少なく音がきれいに録れている3楽章から聴いてみると良いと思う。このスケルツオのメロディのなんとも暖かな素朴さ、リズムの躍動感、次第に強烈なパッションが表出するオーケストラの高揚感、そしてブルックナー休止そのままの突然の楽章そのもののエンディング。こんな演奏にはめったにお目にかかれない。かってワルター/コロンビア交響楽団の9番でも書いたが、一点の曇りもない明快な解釈に裏打ちされ、しかも緊張感ある迫力十分の4番の名演である。
http://shokkou.spaces.live.com/blog/cns!9E9FE7463122BF4E!937.entry?&_c02_owner=1

 この4番の演奏は、「ロマンティック」といった感傷性とはまったく異質な、「剛」のものの行進であり、晩年の柔らかなワルターのイメージとも一致しない。管楽器は輝かしく咆哮し、ティンパニーの連打は前面で多用されて全体の隈取りはくっきりと強い。
 テンポは全般にはやく(16:44,14:45,8:29,18:48/計58:48)、しかも大胆に可変的である。とても男性的できわめてパッショネイトな演奏とでも言っておこうか。いまでは、評論家が許してくれまいが、原典版、改訂版といった厳密さとは無縁なかなりワルター自身の手の入った大指揮者時代の貴重な遺産である。
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