ブルックナー//メモランダムⅣ⑦ーその特質と魅力

 ブルックナーの音楽の特質について、以下、 ウィキペディア(Wikipedia)を下敷きにメモします。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC

◆ブルックナー開始
 第1楽章冒頭、原始霧と言われる最弱音の弦楽器のトレモロで始まる手法。交響曲第2,4,7,8,9番に採用されている。これはベートーヴェンの交響曲第9番第1楽章と共通するが、なぜ、各曲の冒頭に、ここまで拘って同種のイントロを置いたかは謎である。「早朝、徐々に薄れていく霧の向こうから音楽がはじまる」といった感じだが、小生は深閑とした森での明けゆく朝の雰囲気があり、その後の強奏は日の出をイメージすることもある。

◆ブルックナー休止
 交響曲第2番に象徴的だが、調律、楽想が変化するときに、管弦楽全体を一端休止(ゲネラル・パウゼ)させる手法。よって4楽章の交響曲でも、慣れないリスナーはいったい、いつ楽章がかわるのかに戸惑うこともあるだろう。これはパイプオルガン奏者だったブルックナーがオルガン演奏での技法を交響曲に取り入れたとも言われる。また、ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章の合唱と管弦楽の断続、交互の演奏による劇的な変化も連想させる。しかし、宗教曲、合唱曲を得意としたブルックナーは、この「休止の技法」は取り入れながら、人声を交響曲には用いなかった。

◆ブルックナー・ユニゾン
 オーケストラ全体によるユニゾン。2連符+3連符のブルックナー音符や次のゼクエンツと共に用いられるが、凡庸な演奏ではリスナーにとって苦痛になる単純さとその繰り返しの要因でもある。朝比奈隆は、オーケストラ(特に弦楽器、朝比奈自身が、優れたヴァイオリン奏者であった) にとって、集中力の維持が難しい要素と言っているが、それも頷けるものであろう。

◆ブルックナー・ゼクエンツ
 ひとつの音型を繰り返しながら、音楽を盛り上げていく手法。いたるところに見られる。 ゼクエンツの執拗なまでの多用は、彼が神経症を患っていたこととの関連性があるようにも思う。砂粒まで数えないといけないと思いこむブルックナーは、本当に音型を粘着質に繰り返す。ブルックナー嫌いが生まれる要因でもあり、弟子がなんとか短縮させようと苦労した部分でもある。しかし、名指揮者は、このゼクエンツとユニゾンをリズムをうまく刻むことで、やみがたい魅力に
転化する。良く切れる包丁でザクザクと素材を刻むような心地よい快音に仕上げた時、その魅力もまた倍加する。

◆コーダと休止
 「コーダの前は管弦楽が休止、主要部から独立し、新たに主要動機などを徹底的に展開して頂点まで盛り上げる」。そのコーダこそブルックナーにとってとても重要な要素であった。単調に見えながら、実は音楽の「起承転結」にこだわるブルックナーにとって、コーダはその結論部分を形成し、また、コーダ風の楽想は、途中にあっては重要な転換点、一種の間仕切りであったと思う。

 

◆和声
 和声の独自性は、ゼヒターの禁則処理を破った技法ともいわれるが、確固たるメロディ構築とその微妙な「揺らぎ」が交互にあらわれるといったらどうだろうか。この禁則処理こそ、ブルックナー音楽の新鮮さを印象づけ、マーラーなど次世代へ大きな影響を与えた彼の独創でもあった。

 さて、以上のブルックナー音楽の特質は、当時のウイーン・フィル(上記写真は今日のウイーン・フィル)にとっては、とても奇異に感じたであろう。初演の演奏拒否や演奏しても身が入らなかったエピソードは、当時としては致し方なかったかも知れない。
 しかし、プロを評価するのもプロであり、その斬新さと保守性の両立、エネルギッシュな部分と繰り返しの単調さの部分の併存にいちはやく気がついていたのもウイーンの彼らである。時代は移って、いまブルックナーはウイーン・フィルにとってメインの演目であり、幾多の名演を紡ぎ出しているのも、上記の特質を彼らが熟知しているからであり、それを補完する術を知っているからではないかと思う。そして、気難しい彼らに、それを完全に植え付けたのは、フルトヴェングラーであり、クナッパーツブッシュであり、ワルターであり、ベームであり、そしてカラヤンらであった。しかも、かかる指揮者はいずれも同じ音楽で、ここまで違うかというくらいテクストを自分なりに解釈し、上記要素を創意工夫をして際だたせている。そこがテンポ設定とともに、ブルックナー演奏比較の妙味であると思う。

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