クナッパーツブッシュ  ブルックナー 交響曲第8番 <3>

ブルックナー:交響曲第8番

 クナッパーツブッシュのブルックナーはその種類も多く、演奏、録音ともに良いとなると慎重なチョイスが必要な場合もありますが、ミュンヘン・フィルとの8番は素晴らしいものです(ライヴ盤もありますが本盤はスタジオ録音で音質は比較的良いと思います)。

 クナッパーツブッシュは練習嫌いで有名、逸話を読むと特に気心のしれたオケではあえて斜に構えてそうしていたふしもあるようです。これはうがった見方では1回の演奏への集中度、燃焼度を高めるうえでの「方法論」といった視点もあるのではないでしょうか。深くえぐり取られるような音の「沈降」と一気に上昇気流に乗るような音の「飛翔」のダイナミクスの大きさは他ではなかなか聴けません。かつ、音が過度に重くならずスカッとした聴後感があります。音楽の設計スケールの大きさが「桁違い」で、こういう演奏をする人にこそ巨匠(ヴィルトゥオーソ)性があると言うのでしょう。歴史的な名盤です。

(追記:2012年7月30日)
  本曲では長大な第3楽章のアダージョ(モーツァルトの交響曲1曲分がすっぽりと入る長さ!)こそ、演奏の質を決めると思っている。この点でもベートーヴェンの第9番を連想させるが、クナッパーツブッシュの「凄さ」は、この第3楽章を滔々と流しながら、しかし、いかに遅くとも失速感がなく、一方で過度な緊張もしいず、飽きさせずに自然に響かせることにある。

 そこから浮かび上がるのは、なんと良き音楽なのだろうという、作品自身に対する深い満足感である。技術的には、連音符の繰り返しが慎重かつ巧みに処理され、同種テーマの再現でも、局面によって全て表情が違い、肌理の細かい配慮がなされている。その細部に至るまでの表情の「多様性」が、即興的に響くからこそ、魅力を湛えているのだと思う。いままで、桁違いの音楽スケールという点を強調してきたけれど、もう一つの隠れた技倆を、この第3楽章にみる思いである。

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B00005GT8L/ref=cm_cr_pr_btm_link_2?ie=UTF8&pageNumber=2&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending

広告
カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中