レコード芸術 2013年3月号 ブルックナー特集

レコード芸術 2013年 03月号 [雑誌]

(出典)http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E8%8A%B8%E8%A1%93-2013%E5%B9%B4-03%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B00B3XVAQG/ref=sr_1_4?s=books&ie=UTF8&qid=1367762474&sr=1-4&keywords=%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E8%8A%B8%E8%A1%93   

 固陋のリスナーからの苦言である。この特集の編集者、執筆者は、音楽之友社(言うまでもなく本誌の出版社である!)刊行の『ブルックナー 作曲者別 名曲解説 ライブラリー5』(1993年)をどこまで読みこんでいるのだろうか。冒頭の「ブルックナー交響曲演奏の100年」のスケッチはいかにも杜撰で、同書巻末pp.196-206資料の再掲のほうがはるかにリスナーにとっては内容豊富で参考になる。

(上記:座右の参考本の1冊です)

https://mituhirousui.wordpress.com/2009/01/18/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a1-%e2%91%a3%e3%83%bc%e5%ba%a7%e5%8f%b3%e3%81%ae%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83/

 演奏評についても同様。「レコード芸術」のバック・ナンバーから以下の抽出(1952~86年までをあくまでも一つのサンプルとして掲載)などが可能であるが、今回の特集は、過去の「本誌」トラック・レコード(他誌ではなく伝統あるこの雑誌の一貫性を問う意味で)を吟味してのことか。マークされている「一家に1枚の必携盤」(なんとも<高飛車>な表現である。こんな言い方は余程の自信があるか、厚顔無恥でなければ言えないと思う)という根拠がどこから導かれるか、その規準をより明確に示すべきであろう。

 「ブルックナー交響曲演奏の100年」という大上段からの構えなので、あえて言うのだが(個人批判の趣旨ではないので念のため)、この特集は最近のピリオド奏法系のニュー・ウエーブ(とっくに旬はすぎているようにも思う)と改定稿の問題(重箱の隅をつつくような指摘が多く、木を見て森を見ずの典型といった気がする)にあまりに安易に依存している。ブルックナーの多層的な魅力(本ブログ:魅力の源泉を参照)を語るにはまことに不十分で、まじめな読者をいささか馬鹿にしていないかとさえ思う。大いに期待をしていただけに真に残念である。

(「魅力の源泉」のいくつかの視点を示しています)

https://mituhirousui.wordpress.com/category/%e9%ad%85%e5%8a%9b%e3%81%ae%e6%ba%90%e6%b3%89/

(参考1)「レコード芸術創刊30周年記念ーレコード芸術推薦盤全記録」(上下巻。同誌第31巻第6号<通巻第381号>付録として販売)

対象は1952年3月号から1981年12月号まで。ブルックナーの交響曲について推薦盤の変遷は以下のとおり。

<摘要:対象年、交響曲番号、指揮者(①~は回数)、オーケストラ、備考>

◆1952~1958年:該当なし

◆1959年 8番 カラヤン① ベルリンpo

◆1960年 5番 ヨッフム① バイエルン放送so

◆1961年 該当なし

◆1962年 4番 ワルター① コロンビアso

      7番 クレンペラー① フィルハーモニーo

◆1963年 4番 コンヴィチュニー① ウイーンpo

◆1964年 5番 ヨッフム②  アムステルダム・コンセルトヘボウo

      7番 ワルター②  コロンビアso

      9番 フルトヴェングラー① ベルリンpo

◆1965年 5番 クナッパーツブッシュ① ウイーンpo

      8番 シューリヒト① ウイーンpo

◆1966年 1番 ヨッフム③ ベルリンpo

      3番 クナッパーツブッシュ② ウイーンpo 

      6番 クレンペラー② ニュー・フィルハーモニアo

      9番 ヨッフム④ ベルリンpo(テ・デウムとのカップリング)

◆1967年 1番 ノイマン ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      3番 シューリヒト② ウイーンpo

      5番 クレンペラー③ ニュー・フィルハーモニアo

     8番 ショルティ① ウイーンpo

      9番 カラヤン② ベルリンpo 

◆1968年 全集 ヨッフム⑤ ベルリンpo、バイエルン放送so

      7番 ヨッフム⑥ ベルリンpo

        (三つのモテット、詩編第150篇カップリング)

      7番 ハイティンク① アムステルダム・コンセルトヘボウo

        (テ・デウムカップリング)

◆1969年 該当なし

◆1970年 7番 マタチッチ① チェコpo

◆1971年 3番 ベーム① ウイーンpo

      4番 カラヤン③ ベルリンpo

      7番 カラヤン④ ベルリンpo

      8番 セル① クリーヴランドo

      8番 ハイティンク② アムステルダム・コンセルトヘボウo

      9番 バーンスタイン ニューヨークo

◆1972年 8番 クレンペラー④ ニュー・フィルハーモニアo

      9番 クレンペラー⑤ ニュー・フィルハーモニアo

◆1973年 5番 マタチッチ② チェコpo

      5番 フルトヴェングラー② ウイーンpo

◆1974年 4番 コンヴィチュニー② ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      4番 ベーム② ウイーンpo

      5番 コンヴィチュニー③  ライプチッヒ・ゲバントハウスo

◆1975年 該当なし

◆1976年 5番 ケンペ① ミュンヘンpo

      5番 マゼール ウイーンpo

      8番 カラヤン⑤ ベルリンpo

      8番 ケンペ②  チューリッヒ・トーンハレo

      9番 バレンボイム① シカゴso

◆1977年 4番 ケンペ③ ミュンヘンpo

      7番 ベーム③ ウイーンpo

      7番 マズア① ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      7番 カラヤン⑥ ベルリンpo

      9番 カラヤン⑦ ベルリンpo

      9番 マズア② ライプチッヒ・ゲバントハウスo

◆1978年 0番 朝比奈隆① 大阪po

      5番 マズア③ ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      9番 ジュリーニ シカゴso

◆1979年 2番 マズア④ ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      3番 ヨッフム⑦ ドレスデン国立o

      3番 マズア⑤ ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      8番 ヨッフム⑧ ドレスデン国立o

◆1980年 1番 ヨッフム⑨ ドレスデン国立o

      7番 ハイティンク③ アムステルダム・コンセルトヘボウo

      7番 ヨッフム⑩ ドレスデン国立o

      6番 マズア⑥ ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      7番 バレンボイム② シカゴso

       (ヘルゴラント、詩編150篇カップリング)

      7番 シューリヒト③ ハーグpo

◆1981年 4番 クーベリック バイエルン放送so

      7番 プロムシュテット ドレスデン・シュターツカペレ 

      選集 朝比奈隆② 日本po、東京都so他

       (4,7,9番にコメントあり)

      5番 ショルティ② シカゴso

      6番 ショルティ③ シカゴso

      6番 ヨッフム⑪ ドレスデン国立o

      8番 マズア⑦ ライプチッヒ・ゲバントハウスo

      9番 マタチッチ③ チェコpo 

https://mituhirousui.wordpress.com/2006/03/26/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%91%a3%e3%81%ae%ef%bc%94%e3%83%bc%e5%8f%a4%e3%81%8d%e5%90%8d%e7%9b%a4/

 これ以降も「レコード芸術」ベースで名盤追跡は十分可能。以下では、過去の特集と今回の推薦とがどれくらい重なるかを少しくチェックしてみた(はずれているものを「本誌選外!」と記載した)。いたずらに過去の演奏に拘るつもりはないし、新進気鋭の活動の取り込みが必要なこともよくわかる。しかしながら、推薦盤には古いものも多く含まれており、では(評者の感性?好み?優先で)推薦されているものと「本誌選外!」との比較考量について全くコメントがないのは解せない。ひいては「一家に1枚の必携盤」の判定には大きな疑問符がつく。

(参考2)

1987年10月発刊『演奏家別クラシック・レコード・ブックVOLⅠ 指揮者篇』(レコード芸術・別冊 音楽之友社)からブルックナーの推薦盤をセレクトすれば以下のとおり。

 § 演奏家別のブルックナーの名盤リスト(集計結果)

―指揮者名(掲載枠数) オーケストラ  (録音年)―

【全集】

ヨッフム⑩  ドレスデン国立  (75-80年) コメントあり

【3番】

クナッパーツブッシュ⑤ ウイーンpo(1954年)本誌選外!

【4番】

プロムシュテット⑤ ドレスデン国立 (1981年)本誌選外!

ベーム⑮ ウイーンpo (1973年)

ハイティンク⑮ ウイーンpo (1985年)本誌選外!

マズア⑤ ゲバントハウス (1975年)本誌選外!

ムーティ⑮  ベルリンpo (1985年)本誌選外!

テンシュテット⑩ ベルリンpo(1981年)

【5番】

マタチッチ⑤ チェコpo (1972年頃)本誌選外!

【6番】

カイルベルト⑤ ベルリンpo (1962年頃)

【7番】

マズア⑤ ゲバントハウス (1974年)本誌選外!

マタチッチ⑤ チェコpo (1968年)

ワルター⑳ コロンビア響 (1961年)本誌選外!

【8番】

ジュリーニ⑮ ウイーンpo (1984年)本誌選外!

クナッパーツブッシュ⑤ ミュンヘンpo (1963年)本誌選外!

シューリヒト⑤ ウイーンpo (1962年頃)本誌選外!

セル⑩ クリーヴランド (1969年)本誌選外!

【9番】

ジュリーニ⑮ シカゴ響 (1976年)→ウィーン・フィル盤を採用

レーグナー⑤ ベルリン放送響 (1983年)本誌選外!

シューリヒト⑤ ウイーンpo (1961年頃)

https://mituhirousui.wordpress.com/2006/07/09/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a5%e2%91%a0%e3%83%bc%e3%80%80%e5%8f%a4%e3%81%8d%e5%90%8d%e7%9b%a4/

さらに1990年時点でのチェックは以下のとおり。

https://mituhirousui.wordpress.com/2006/07/23/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a6%e2%91%a0%e3%83%bc%e3%80%80%e5%8f%a4%e3%81%8d%e5%90%8d%e7%9b%a4/

(参考3)

最近の注目盤(といっても2011年11月現在だが)も以下、添付しておこう。

(総括)

https://mituhirousui.wordpress.com/2011/11/22/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%80%81%e6%9c%80%e8%bf%91%e3%81%ae%e6%b3%a8%e7%9b%ae%e7%9b%a4/

(HMVからの引用)

 http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-276.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-277.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-278.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-281.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-282.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-283.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-284.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-285.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-286.html

http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-287.html

広告
カテゴリー: 本・論考・インタビュー パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中