ヨッフム ブルックナー

ヨッフムのブルックナー録音について、以下、3期にわけて簡単な要約をつけてみた。2度の全集録音を主軸にその執念にも近いながき「修行」には正直、頭が下がる思いであり、自然に感謝の気持ちがおこってくる。

◆1930年代から第1回全集録音まで

ヨッフムの初出のブルックナー音源はやはりもっとも得意とする5番だった。Aは1938年6月、ハンブルクでのスタジオ録音。次はBで1944年5月、ベルリンでの3番ライヴ。1945年4月30日のベルリン陥落の約1年前である。1940年代最後、Cでは8番の1949年5月30日ヘッセン(フランクフルト)放送交響楽団とのライヴ盤がある。

1950年代の録音ではD1の5番が1958年に取り上げられている。これ以降、はじめての交響曲全集が1967年までほぼ10年にわたって続行される。この間に、有名なEの第5番がある。1964年3月 オットーボイレン(ドイツ)でコンセルトヘボウ管弦楽団とのライヴ盤で、小生はいまだヨッフム5番ではこれをもってもっとも感動的な演奏と思っている。

A交響曲第5番変ロ長調

Hamburg State Philharmonic Orchestra、時間: 79:19 録音場所: 06/1938, Hamburg, Germany [Studio]

B交響曲第3番

Hamburg State Theatre Orchestra、時間: 55:37 録音場所: 05/1944, Reich Radio, Berlin, Germany [Live]

C交響曲第8番ハ短調(ハース版)

ヘッセン放送交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)、録音:1949年5月30日(ライヴ、モノラル)

【以下のD1~D9は全集所収盤である】

D1交響曲第5番変ロ長調(ノヴァーク版)

バイエルン放送響、1958年2月8~15日、ミュンヘン、ヘルクレスザール

D2交響曲第8番ハ短調(1890年稿ノヴァーク版)

ベルリン・フィル、1964年1月、ベルリン、イエス・キリスト教会

E交響曲 第5番 変ロ長調

コンセルトヘボウ管弦楽団、1964年3月 オットーボイレン(ドイツ)〈ライヴ〉

D3交響曲第7番ホ長調

ベルリン・フィル、1964年10月10日、イエス・キリスト教会

D4交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版)

ベルリン・フィル、1964年12月5日、イエス・キリスト教会

D5交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(1886年稿ノヴァーク版)

ベルリン・フィル、1965年6月、イエス・キリスト教会

D6交響曲第1番ハ短調(リンツ稿ノヴァーク版)

ベルリン・フィル、1965年10月16~19日、イエス・キリスト教会

D7交響曲第6番イ長調(ノヴァーク版)

バイエルン放送響、1966年7月3日、ヘルクレスザール

D8交響曲第2番ハ短調(ノヴァーク版)

バイエルン放送響、1966年12月29日、ヘルクレスザール

D9交響曲第3番ニ短調『ワーグナー』(1889年稿ノヴァーク版) ※

バイエルン放送響、1967年1月8日、ヘルクレスザール

◆1970年代の第2回全集録音まで

1968年にヨッフムは、アムステルダム・コンセルトヘボウと来日した。このライヴ演奏こそ、小生がはじめて聴いた外国オーケストラであり、その印象は忘れ得ないものだが、残念ながら演目はブルックナーではなかった。この時期、いまだブルックナーがコンサートで取り上げられるのは稀であり、ブルックナーの泰斗、ヨッフムの存在もいまよりも地味な位置づけであったように記憶している。

ヨッフムは1970年代を通じて2回目の全集録音を行う。オーケストラは、ドレスデン管弦楽団であった(I1~I9)。この間、F、Gコンセルトヘボウ管弦楽団、Hスウェーデン放送交響楽団、Jベルリン・フィル(9番)、Kミュンヘン・フィルとのライヴ音源が登場しているが、この時期は4番、7番を多く取り上げている。

F交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版)

コンセルトヘボウ管弦楽団、1970年3月15日

G交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』

コンセルトヘボウ管弦楽団、1975年1月16日(ライヴ)

H交響曲第4番変ホ長調 WAB.104『ロマンティック』

スウェーデン放送交響楽団、1975年2月23日、ストックホルム・コンサートホール

【以下のI1~I9は2回目の全集所収盤Dresden Staatskapelleである】

I1 Symphony no 4 in E flat major, WAB 104 “Romantic”

時間: 65:7 : 12/1975, St. Luke’s Church, Dresden

I2 Symphony no 8 in C minor, WAB 108

時間: 76:7 : 11/1976, St. Luke’s Church, Dresden

I3  Symphony no 7 in E major, WAB 107

時間: 69:27: 12/1976, St. Luke’s Church, Dresden

I4 Symphony no 3 in D minor, WAB 103

時間: 55:13: 01/1977, St. Luke’s Church, Dresden

J交響曲第9番

ベルリン・フィル、1977年11月28日ベルリン、ライヴ

I5 Symphony no 9 in D minor, WAB 109

時間: 60:46: 01/1978, St. Luke’s Church, Dresden

I6 Symphony no 6 in A major, WAB 106

時間: 56:23: 06/1978, St. Luke’s Church, Dresden

I7 Symphony no 1 in C minor, WAB 101

時間: 47:8: 12/1978, St. Luke’s Church, Dresden

K交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ノヴァーク版)

ミュンヘン・フィル、1979年11月8日、ヘルクレスザール、ライヴ

I8 Symphony no 5 in B flat major, WAB 105

時間: 77:30 : 1980, St. Luke’s Church, Dresden

I9  Symphony no 2 in C minor, WAB 102

時間: 52:41 : 07/1980, St. Luke’s Church, Dresden

◆晩年の1980年代

ヨッフムの晩年は、自在の境地にあったろうか。Lフランス国立管弦楽団、Mバンベルク交響楽団、Nミュンヘン・フィル、O、P、Qコンセルトヘボウとライヴ録音が残されている。ベームの晩年同様、日本でも人気が発火してブルックナーの貴重なライヴ盤が残された。白熱の演奏で老いを感じるよりも、その熱意に心動かされる。また、カラヤンの晩年同様、ブルックナーでは後期の作品が残されている。しかし、現存盤での白鳥の歌は、48年前に初録音した同じ5番である。5番に始まり5番で終わる、ヨッフムのブルックナー行脚であった。

L交響曲第7番ホ長調 WAB107

フランス国立管弦楽団、1980年2月8日(ステレオ)

M交響曲第8番ハ短調

バンベルク交響楽団、1982年9月15日、NHKホール(ライヴ)

N交響曲第9番ニ短調

ミュンヘン・フィル、1983年7月20日、ヘルクレスザール

O交響曲第8番 ハ短調(ノヴァーク版1890年稿)

コンセルトヘボウ管弦楽団、1984年9月26日

P交響曲第7番ホ長調

コンセルトヘボウ管弦楽団、1986年9月17日(ライヴ)、昭和女子大人見記念講堂

Q交響曲第5番変ロ長調(ノーヴァク1878年版)

コンセルトヘボウ管弦楽団、1986年12月4日、アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)

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