ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)  チェリビダッケ

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

明るい色調の4番である。1988年10月16日、ミュンヘンガスタイク・フィルハーモニーにてライヴ収録されたもの。ブルックナーの演奏では集中力を維持するために、テンポを揺らす方法もよくとられるが、チェリビダッケはこれを禁則化しており、一定の遅い運行のなかで、ボキャブラリーの豊饒さこそが最大の特色である。管楽器の活躍するパートの多い本曲では、ここまで遅くすると、ブレストまでの奏者の技量が極限まで発揮されているように感じる(ふらついた音などチェリビダッケはけっして許してはくれなかったろうから尚更である)。しかし、それは演奏者に極端な緊張をしいる。ベームも同様ながらテンポの厳格な維持では弦楽器群も同様。ミュンヘン・フィルはよく鍛えられている。それが聴衆にひしひしと伝わってくる。チェリビダッケ流のオーケストラ操舵法であり、リスナーへのおもねりなき統制である。

第2楽章の主旋律とピチカートの掛け合いも整然そのもの、感情は抑え気味で音をひそめた規則正しい行軍のような趣きである。第3楽章では、やや加速ぎみに処理するが、フォークロア的メロディ部分では速度を保ち、こよなく美しく奏される。終楽章は冒頭から量感が漲り、堂々とした構えである。終結部直前で大胆に減速しエネルギーを溜めて一気にフィナーレへ登りつめる緊迫感には比類がない。4番屈指の迫力あるライヴ演奏といっていいかも知れない。

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