ブルックナー:交響曲第5番 チェリビダッケ

ブルックナー:交響曲第5番

ブルックナー:交響曲第5番

CD1枚には収まらず2枚組の5番、前半2楽章(46:57)はいかにもチェリビダッケらしい長大感がある。第2楽章のボヘミアン的な雰囲気のある有名なパッセージでは、ヨッフムなどに比べてこのテンポ設定はいささか緩慢すぎる気もする。一方、後半(40:42)は(通常レヴェルはやや越えるにせよ)極端な速度の遅さは感じられない。チェリビダッケの多くのライヴ盤に馴染んでいるリスナーであれば、逆説的だがむしろ「快速」と思われるかも知れない。

終楽章に身を委ねていると、「内攻する演奏」―外に発散するよりも、内に向かってエネルギーが凝縮していくような演奏―を強く感じる。チェリビダッケのライヴでは、そのクライマックスの壮大さに誰しもが驚く。それは、安手の設えで派手な音を鳴らすことではなく、あたかも滝壺に轟轟たる流水が落ちていくといった感じである。他では聴くことができない彼独自の演奏スタイルによって、文字通り滝に打たれる如くの音楽体験を味わう。5番は8番とともに、終楽章のコーダの構えが大きく、その分、落差の大きな巨滝を眼前にしているようなイメージである。何にでも煩型のチェリビダッケは聴衆の拍手もあまり好まなかったようだが、終演後の猛然たる拍手は、当日の感動のバロメーターだろう。

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