セル/ウィーン・フィル 交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

1968年8月21日、ザルツブルク祝祭大劇場におけるライヴ音源。1965年シュターツカペレ・ドレスデンで第3番を振って注目されたセルが、3年後、今度はウィーン・フィルで第7番を取り上げたのだから、当時の関心は高かったであろう。

録音は、音が平板で深みがなく、かつ音域のレンジも狭く良くない。馥郁たるウィーン・フィルの響きが感じられず、その点感動は明らかに減殺される。

しかし、演奏そのものは立派である。リズミックさ、明朗さ、そして速度設定の巧さ、の3要素に加えて、弦楽メロディの磨き方にセルの技能が光る。当時、クリーヴランド管はニューヨーク・フィルを抜いて“全米NO.1オケ”の評価をえており、ウィーン・フィルのメンバーもそのシェフたるセルとの共演は興味津々であったのではないか。

第1楽章は遅めの運行ながら、主題の提示は実に入念に行われる。落ち着いて、奇を衒わぬ、いかにもセルらしい解釈。第2楽章は、冒頭からウィーン・フィルの美しく表情豊かなアンサンブルが前面にでる(録音が良ければ、もっとそれに酔えるはずだが)。この楽章、金管楽器はあくまでも弦楽器の奉仕役に徹すべしと指示がでているような、弦楽器と木管楽器主体の室内楽のような音楽が続く。これはこれで徹底し特徴的である。第3楽章はリズミックさ、明朗さ、そして速度設定の巧さがもっとも典型的にでており、爽快感があろう。終楽章も明燦さ、快速性を基調に、柔らかな音づくりに配慮している。セルの場合、第3番も同様だが、ブルックナーの巨大な音の構造物を期待すると肩すかしを感じるかも知れない。しかし、セルによって整序されたアンサンブルで聴くブルックナーの緩徐楽章は、実に格調高く美しい。そこが魅力である。

ブルックナー:交響曲第7番

2006

セル(ジョージ)、 ブルックナーCD
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