ブルックナー/メモランダム④の4ー古き名盤

 さて、いままでの④の1~3 の「古き名盤」について、若干の分析を加えてみたいと思います。まず、ヨッフムの全集と朝比奈隆の選集を除く66サンプルのうちどの曲の推薦盤が多いかです。
 
1.推薦盤が多い曲は何か・・・
 
 第1位:7番(14)、第2位:5番(11)、第3位:8番、9番(各10)、第5位:4番(7)、第6位:3番(5)、第7位:6番(4)、第8位:1番(3)、第9位:0番、2番(各1)
 
 7番は大方の予想どおりと思いますが、4番が意外と少なく、8番、9番よりも5番が多いのが面白いですね。またこの時代は初期の作品がなかなか聴きにくかったこともわかります。
 
 
2.ブルックナーブーム?はいつ頃からか・・・
 
 1952~67年の15年間での推薦盤数はたったの19枚(@1.3枚/年、 ④の1参照)ですが、最後の4年(1978~81年)は20枚(@5枚/年、④の3参照)です。
 1950年代はカラヤン/ベルリンpoの1枚のみ。1960年代から70年代前半までは、マーラーなどと比較してもブルックナーの推薦盤数は低調でしたが、1976年以降、新たにブルックナーを取り上げる指揮者のバリエーションも豊かになり、この頃から推薦盤の厚みが増しています。
 
3.時代をリードした指揮者は誰か・・・
 
 フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、シューリヒトなどは海賊盤をふくめ当時から根強い人気がありましたし、朝比奈隆氏の0番ははやくも78年の推薦盤になっていますが、単純に推薦盤数のランキングでみると、全集を除いてもヨッフム、カラヤン、マズアがブルックナーを精力的に取り上げていることがわかります。特に、ヨッフム、マズアが、ドレスデン国立管弦楽団やライプチッヒ・ゲバントハウス管弦楽団といった当時の東独のオケを率いて、ブルックナーの素晴らしさを伝導してくれた功績は大きいと思います。 
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ブルックナー/メモランダム④の4ー古き名盤 への3件のフィードバック

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