「古き名盤」のシリーズです。今回は1987年10月発刊『演奏家別クラシック・レコード・ブック VolⅠ 指揮者篇』(レコード芸術・別冊 音楽之友社)からブルックナーの推薦盤をセレクトしてみました。
この本の特色は、主要指揮者別に最大20、最小5つの推薦盤をえらぶというもので、枠が小さい指揮者は選択が限られますし、なによりも評者の個性によって相当影響されます。
たとえばカラヤン、フルトヴェングラーなどは20の枠取りですが、評者の「好み」でブルックナーへの割り当てはありません。そうしたバイアスはありますが、以下は当時の演奏家から接近した古き名盤です。便宜的に番数順に並びかえてみました。
5枚の割り当てでブルックナーが複数はいっているのは、クナッパーツブッシュ、シューリヒト、マタチッチ、マズアの4名です。ジュリーニは15枚中2枚がブルックナーです。彼らは当時のブルックネリアーナ指揮者と評価されていたとも言えます。また、ムーティ、レーグナーなどは直近の新譜の評判が良かった面があるかも知れません。
番数別には4番が6枚、8番が4枚、7番および9番が3枚で、逆に1番および2番はなく、3、5、6番は各1枚となっています。ヨッフムの全集は新盤が推奨されています。
§ 演奏家別のブルックナーの名盤リスト(集計結果)
指揮者名(掲載数) |
オーケストラ |
番数(録音年) |
ヨッフム⑩ |
ドレスデン国立 |
全集(75-80年) |
クナッパーツブッシュ⑤ |
ウイーンpo |
3番(1954年) |
プロムシュテット⑤ |
ドレスデン国立 |
4番(1981年) |
ベーム⑮ |
ウイーンpo |
4番(1973年) |
ハイティンク⑮ |
ウイーンpo |
4番(1985年) |
マズア⑤ |
ゲバントハウス |
4番(1975年) |
ムーティ⑮ |
ベルリンpo |
4番(1985年) |
テンシュテット⑩ |
ベルリンpo |
4番(1981年) |
マタチッチ⑤ |
チェコpo |
5番(1972年頃) |
カイルベルト⑤ |
ベルリンpo |
6番(1962年頃) |
マズア⑤ |
ゲバントハウス |
7番(1974年) |
マタチッチ⑤ |
チェコpo |
7番(1968年) |
ワルター⑳ |
コロンビア響 |
7番(1961年) |
ジュリーニ⑮ |
ウイーンpo |
8番(1984年) |
クナッパーツブッシュ⑤ |
ミュンヘンpo |
8番(1963年) |
シューリヒト⑤ |
ウイーンpo |
8番(1962年頃) |
セル⑩ |
クリーヴランド |
8番(1969年) |
ジュリーニ⑮ |
シカゴ響 |
9番(1976年) |
レーグナー⑤ |
ベルリン放送響 |
9番(1983年) |
シューリヒト⑤ |
ウイーンpo |
9番(1961年頃) |
(ムーティとレーグナー<但し7番>の最近のジャケット)
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