ブルックナー/メモランダムⅦ①ー 古き名盤

 「古き名盤」のシリーズです。今回は1990年4月発刊『クラシックの巨匠たち CDで聴く名演 指揮者篇』(音楽之友社)からブルックナーの推薦盤をセレクトしてみました。

 この本の特色は、20世紀を代表する20人の指揮者の演奏から推薦盤をえらぶというもので、もともと指揮者の数が限定されており、また評者の個性によってその選択には相当な差異があります。
 まず、20名ですが、掲載(生年月日)順にあげれば、トスカニーニ、メンゲンベルク、モントゥー、ワルター、ビーチャム、ストコフスキー、アンセルメ、クレンペラー、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、E.クライバー、ミュンシュ、ベーム、セル、バルビローリ、コンヴィチュニー、クリュイタンス、カラヤン、バーンスタイン、リヒターです。シューリヒトやヨッフムなどは入っていませんので、ブルックナーに関していえばそうした意味でも偏りがあることは否めません。
 また、ブルックナーが推薦盤になっているのは8名で、全体の6割(トスカニーニ、メンゲンベルク、モントゥー、ビーチャム、ストコフスキー、アンセルメ、E.クライバー、ミュンシュ、バルビローリ、クリュイタンス、バーンスタイン、リヒターの12名分)がはじめから落ちていますから、ここにも留意が必要です
 対象となる8名(ワルター、クレンペラー、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、ベーム、セル、コンヴィチュニー、カラヤン)は、演奏家別ではなく便宜的に番数順に並びかえてみました。 
 全26枚の分類では、4番、5番が6種、8番が5種、7番、9番が3種、3番が2種、6番が1種で2番以前はありません。ベートーヴェンやブラームスでは質量がありすぎて、こうした抽出そのものが難しいでしょうが、そこがブルックナーの特質でもあり、また、魅力でもあります。
 

 § 20世紀の巨匠8名のブルックナーの推薦盤

指揮者

オーケストラ

番数(録音年)

クナッパーツブッシュ①

ウイーンpo

3番(1954年)

ベーム①

ウイーンpo

3番(1970-71年)

ワルター

コロンビア響

4番(1960年)

クナッパーツブッシュ②

ウイーンpo

4番(1955年)

ベーム②

ウイーンpo

4番(1973年)

コンヴィチュニー①

ウイーンpo

4番(N..

コンヴィチュニー②

ゲヴァントハウスo

4番(1963年)

カラヤン①

ベルリンpo

4番(1970年)

クレンペラー①

ニューフィルハーモニアo

5番(1964年)

フルトヴェングラー①

ベルリンpo

5番(1942年)

フルトヴェングラー②

ウイーンpo

5番(1951年)

クナッパーツブッシュ③

ウイーンpo

5番(1956年)

ベーム③

ウイーンpo

5番(1936年)

コンヴィチュニー③

ゲヴァントハウスo

5番(1961年)

クレンペラー②

ニューフィルハーモニアo

6番(1967年)

クレンペラー③

フィルハーモニアo

7番(1960年)

ベーム④

ウイーンpo

7番(1976年)

カラヤン②

ベルリンpo

7番(1975年)

クレンペラー④

ニューフィルハーモニアo

8番(1970年)

クナッパーツブッシュ④

ミュンヘンpo

8番(1963年)

ベーム⑤

ウイーンpo

8番(1976年)

セル

クリーヴランド

8番(1969年)

カラヤン③

ウイーンpo

8番(1988年)

クレンペラー⑤

ニューフィルハーモニアo

9番(1970年)

フルトヴェングラー③

ベルリンpo

9番(1944年)

カラヤン④

ベルリンpo

9番(1975年)

 

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ブルックナー/メモランダムⅦ①ー 古き名盤 への3件のフィードバック

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