ブルックナー/メモランダムⅡ①ーK.マズア

 クルト・マズア(Kurt Masur)は、ライプチィヒ・ゲバントハウス管弦楽団の名前とともに記憶されています。1927年生まれでライプチッヒ音楽学校を卒業したマズアは、若き日から頭角をあらわし40歳代で地元の名門オーケストラを任されることになりますが、ブルックナーは得意の演目でした。
 この楽団の指揮者は、古くはメンデルスゾーンまで遡るというから驚きですが、ながらくニキシュが君臨したあと、フルトヴェングラー(1922~28年)、ワルター(1929~33年)、アーベントロート(1934~45年)、コンヴィチュニー(1949~62年)と続き、その後、マズアが1970年以降タクトを取ることになりました。こう見てくれば、いかにブルックナーに造詣の深い錚々たる指揮者がラインナップされているかが一目瞭然です。そして、その歴史と伝統はマズア以降今日まで継承されています。  
 私がこのコンビでのライブを聴いたのは1975年に1度だけですが、相性の良い組み合わせであり、古式ゆかしい雰囲気と落ち着いた演奏に好感を持ちました。
 また、いまはあまり注目されませんが、1970年代、マズア/ライプチィヒ・ゲバントハウス管弦楽団は、積極的にブルックナーを取り上げ良い録音も多いです(本メモランダム④の3、4「古き名盤」を参照)。マズアは地味ながらその功績は決して小さくありません。 
 
 <コンサート記録>
1975年11月4日:ライプチィヒ・ゲバントハウス管弦楽団/東京文化会館
◆シューマン/交響曲第4番
◆マーラー/さすらう若人の歌(BR/ジークフリート・ロレンツ)
◆ブラームス/交響曲第4番
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